私は、外部大学から東大に院試をして進学しました。
物理専攻の私が院試の勉強に使用した教科書や問題集を全てご紹介します!
大学入試と違って、院試の情報はあまり出回ってないうえ、院試のためのテキストや問題集もほとんどありません。
そのようななかで、情報収集をたくさんして効率の良い勉強をすることで、目標とする大学院の院試の合格を勝ち取ってください!
それでは、私が図書館で複数の本を比べながら勉強した経験と先輩や知人の情報からおすすめする本をご紹介します!
必要な科目を調べる
院試対策の参考書を買う前に、まずは院試でどの科目が出題されるのかを調べましょう!
研究科によっては、出題されない科目や選択科目であるために使わなくてもよい科目があります。
これは、大学院が出している募集要項で調べましょう。
例えば、東京大学大学院理学研究科物理学専攻の募集要項には、
数学1問、物理学3問を出題する。 数学は、物理学研究に必要となる基礎的な数学の問題を出題す る。 物理学は、基本的な物理の問題を出題する。量子力学、統計力学、古典力学及び電磁気学を主な範囲とする。
とあり、選択式ではないこと、熱力学や物性などは範囲ではないことがわかります。
物理学専攻で必要な科目
東京大学大学院には、物理系の専攻がいくつかの研究科にありますが、
理学研究科物理学専攻を例にとると、必要な科目は、
- 量子力学
- 統計力学
- 古典力学
- 電磁気学
- 物理数学
- 物理実験
になります。
それでは、順におすすめのテキストを紹介します。
量子力学
必ず出題される最も重要な科目です。
量子力学は数多く名著があります。しかし、その書き方はテキストによって癖があります。
まず、量子力学の歴史に順じて(発見された順番で)書かれている本と現代の視点からまとめて(年代は関係なく)書いている本の2種類があります。
また、著者が慣れている記法を使って書かれているため、昔のテキストと最近のテキストには数式の表現の仕方に違いがあります。
私は複数の本を使用していましたが、そのなかで一番おすすめする本は砂川重信さんの量子力学です。
本の中で、「量子力学の名著は難解過ぎる。量子力学を本格的に学びたい大学3,4年生向けの効率的なテキストとして作った」と書かれています。
また、ブラケット記法を採用しており、ブラケット記法を学んだ人にとっては一番しっくりくるテキストだと思います。(記法については本の中で解説しており知らなくても大丈夫です!)
ハイレベルな内容が系統的にまとめられているので辞書としても使えますし、各章にある問題を解くことで学びを定着させることもできます。
そのほかには、猪木さんのテキスト、
J.J.サクライのテキストも院試レベルに合った良いテキストです。
統計力学
統計力学は、学習院大学の田崎さんの本がおすすめです。
統計力学を概念から捉えなおしているような、学者が書いた統計力学の教科書といった本です。
理解が不十分な単元や直感が湧かない単元などは、この本の該当箇所を参照すると(簡単に理解できるわけではないのですが)身につけることができるといった本です。
統計力学を研究で使用する人、統計力学を根本から理解したい人は必ず持っておくべき2冊だと思います。
しかし、問題を解くうえでは必ずしも必要のないことも多く書かれていますので、院試直前の人はこちらの本なども参照してください。
古典力学
古典力学は、ランダウのテキストで基本的なことを理解しておくのがおすすめです。
古典力学の延長として解析力学が問われることがあります。
他の科目に比べてボリュームは少ないので、しっかり押さえておきましょう。
解析力学はテキストごとにそこまで差はありませんが、こちらがおすすめです。
電磁気学
電磁気学のテキストは、Maxwell方程式を導き、それを使って他の問題に応用させるという流れで書かれていることがほとんどです。
そこで、一冊の中の初めの方でMaxwell方程式を導いている本は多くの問題をMaxwell方程式を使って(演繹的に)解いていますが、後半でMaxwell方程式を導いている本は多くの問題をMaxwell方程式を使わずに解いています。
後者の方が歴史に順じているのかもしれませんが、学びやすさは前者だと思っています。
それらをふまえて、おすすめするのがこの2冊です。
砂川さんのテキストはやはりハイレベルな内容も独学でも理解できるように書かれています。
ファインマンのテキストもおすすめです。
物理数学
物理数学はすべての基本となる科目ですので、まずはじめに学習しておきましょう。
こちらのテキストは、院試によく出る分野(フーリエ解析、ラプラス解析、偏微分方程式、特殊関数)が詳しく書かれています。物理数学に力を入れたい人は、ふつうの物理数学のテキスト+この本を持っておくのがおすすめです。
物理学実験
物理学実験は、学生実験の内容だけでなく、さまざまな分野の応用問題や時事ネタ問題が問われます。
例えば、電場のある定数の値が更新された翌年にはその測定方法に関する問題が出題されるといったものもありました。
物理学実験の対策は、
- 自分の大学の実験テキストを参照し、実験の理論を復習する
- 東京大学(院試を受ける大学)の実験テキストを入手し、実験の理論を確認しておく
をしておけばよいと思います。
可能ならば、院試を受ける大学の実験テキストを入手して基本理論のところに目を通しておきましょう。実験テキスト通りの内容が問われた年もあるそうです。
演習書・問題集
一番おすすめなのは、「演習しようシリーズ」
こちらは、おすすめの理由を記事にしていますので参考にしてください↓↓↓
他には、載っている問題数の多い「詳解シリーズ」
定番の「サイエンス社シリーズ」
などを揃えてもよいと思います。
しかし、全部買うとかなりの金額になりますので図書館を活用してください。
1冊だけ買うとなると、まずは解答・解説が充実している「演習しようシリーズ」がおすすめです。
まとめ
以上、私が院試に向けておすすめするテキストでした。
実際に書店や図書館などで手に取って、自分のレベルとマッチしているかや好きな書き方かどうかなどを確かめてから買うことをお勧めします。
このほかにも、院試の情報を掲載していますのでぜひ参考にしてください!
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